楽園図鑑
2008-12-27T11:22:11+09:00
rakuzuka
旅・音楽・映画・日常・非日常、独善的楽園をつづる。ラグジュアリーなホテル、おいしい食べ物、グルメなレストラン、Good Music,Good Movie,素敵な絵画と美術館、美しい景色と場所
Excite Blog
ニャチャンへ。カムラン空港に到着。
http://rakuzuka.exblog.jp/9290943/
2008-12-27T11:21:13+09:00
2008-12-27T11:22:11+09:00
2008-12-27T10:26:33+09:00
rakuzuka
旅の楽園
今朝、テレビ番組「知っとこ!」のコーナー「世界の朝ごはん」で、ベトナム・ニャチャンが取り上げられていたのを見て、楽園図鑑ベトナム編もやっとニャチャンに。
ベトナム3日目は昼ごろにホーチミンを出て、空路ニャチャンへ。ホーチミン=タンソンニャット空港の国内線のターミナルは、旧空港のターミナルがそのまま使われており、国際線とは別棟。
1時間半の空の旅で、ニャチャンの玄関口=カムラン空港に到着する。以前はニャチャンの市街地すぐそばに空港があったのだが、騒音の問題などもあり、国際的なリゾートへの脱皮を目指して、市街地から南へ20分ほど、長く巨大な砂州上にあった、カムランの軍用空港を改装。
改装とはいえ、ほとんど仮設のような、シンプルな構造(左上写真)のターミナルビル。そして本当に何もない場所に驚く(右上写真)。
積み込むところも丸見えの、あまりに開放的なバゲージクレイムが、長閑だ。テロ対策に汲々としている国際的な空港のトレンドとは全く違う次元に存在する感じが、和む。
今回宿泊するエヴァソン・ハイダウェイとエヴァソン・アナマンダラの送迎受付は、なんとそのバゲージクレイムの真横=同じ空間に存在する。(右上写真)便利といえば、便利だが、出入り自由なこの雰囲気は、国際空港の厳重な保安体制を見慣れた感覚からすると、別世界のようだ。ヴィンパールリゾートの送迎受付なども並びにあって、有名リゾートに送迎依頼をしていれば、到着してからの不安は少なそうだ。
カムランと日本とはいろいろ縁が深い。
古くは、船寄せに良好な湾であったために、日露戦争時、日本海海戦直前のバルチック艦隊が寄港した歴史もある。現在は、ここらあたりの砂州を作っている土砂が真っ白で色や質が良いために(右上写真)、瀬戸や常滑あたりの陶磁器の原料として、日本へどんどん輸出されているそうだ。
また、ニャチャンで08年にミス・ユニバースが開催されたため、空港からニャチャンへの道筋には左上写真のように森理世さんの巨大看板がたくさん設置されていた。
カムラン湾を後にして峠を越えると、ニャチャン方面の海を眺められるナイスビュー・ポイントが。ガイドさんが車を停めてくれたので、パチリ。エヴァソンへの期待が高まる。
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東洋の小さなパリ=ホーチミン
http://rakuzuka.exblog.jp/9225323/
2008-12-18T01:13:00+09:00
2008-12-18T23:14:13+09:00
2008-12-17T08:47:09+09:00
rakuzuka
旅の楽園
前回取りあげた郵便局もそうだが、ホーチミン市内にはフランス植民地時代の建築物がかなり残っており、街のランドマークとして機能しながら、確実にヨーロッパ風の表情を都市に与えている。郵便局と並んで、ドンコイ通りの突き当たりに位置するノートルダム大聖堂(左上写真)やパリ市庁舎とよく似た旧サイゴン市庁舎=現人民委員会(右上写真)など、それらの19世紀末の建物が、東洋のパリと言うべき雰囲気を演出しているのだ。
その一方で、パリそのままではない表情をこの街に与えているのが、左下写真のレックスホテルに代表される、1930年代のアールデコ的建築群。パリの街づくりは19世紀に大半が行われているため、パリ自体は19世紀の相貌をしているわけだが、ここホーチミンは19世紀末に街づくりが始まって、1920~30年代の建築も多いため、アールデコ建築がかなり存在しているのだ。そのために、単純にプチ・パリではなく、どこか少しモダンな雰囲気が街に漂うことになる。
シャープな直線的フォルムと流線型のフォルムや円形の窓など、30年代の流行が垣間見えるのだ。
ホーチミンの都市風景の楽しさがここにある。
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中央郵便局@ホーチミン
http://rakuzuka.exblog.jp/8814199/
2008-10-27T00:00:00+09:00
2008-10-27T00:02:21+09:00
2008-10-24T00:42:32+09:00
rakuzuka
旅の楽園
3日目は、一旦ホーチミンを出て、空路ベトナム最大のリゾート地=ニャチャンへ。お昼前の移動だったので、早朝にコンチネンタル・ホテル周辺を散策した。
ドンコイ通りを真っ直ぐ、サイゴン川と反対の方へ向かうと、突き当りに聳えるのがノートルダム大聖堂で、その脇にあるのが、左写真の中央郵便局。
フランス植民地時代、19世紀にフランス人によって建設されたもので、写真のように壮麗かつアイアン装飾にアール・ヌーボーの影響も見受けられる。仏領時代のベトナムやサイゴンの大きな地図、赤が美しい電話ボックスとその上に飾られた世界の主要都市の時間を示した時計、大きな曲線を描いた天井など、どこを切り取っても絵になる建物だ。
ここで売られている切手も、楽しみにしていた。ベトナムの切手は、フランスの印刷技術とキュビズム等のフランスの美術の技法に、アジア的な素材、さらに社会主義プロパガンダの要素までがないまぜになって、この国でしかありえない美意識が素敵だ。(右下写真)特に60年代、70年代のもの。ただ、ここ中央郵便局ではその時代の切手はあまり多く見つけることはできなかった。残念。
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高級ベトナム・レストラン=マンダリン
http://rakuzuka.exblog.jp/8801688/
2008-10-22T10:35:00+09:00
2008-10-22T16:23:25+09:00
2008-10-22T01:32:59+09:00
rakuzuka
食の楽園
早朝からの盛り沢山の行程で初日から疲れたので、早めのディナーへ。コンチネンタルホテルのあたりから、北東の方へレタイントン通りを行くと、突き当りに左下写真の旧キリスト教修道院の美しい建物が見えてくる。この建物は、映画「ラマン」で主人公の寄宿舎として登場していたものだ。
ちょうど写真のように建物が見えるあたりで、路地(角にベトナムレストラン=ホイアンがある)を右折すると、右側に1930年代のフレンチ・ヴィラが現れ、そこが高級ベトナムレストラン=マンダリンである。
民家を改装したこじんまりとした作りだが、右下写真のように中華風の木製のアンティークな装飾で落ち着いた雰囲気を醸し出している。
上写真のバースペースの奥と2階がテーブル席となっており、そこでフランス式のサーブの仕方によってベトナム料理を楽しめるのだ。
そんな中華風の装飾の中に、中華圏カルチャーの証明を発見。右上の写真では分かりづらいかもしれないが、角を支えているのが、装飾的に彫られた蝙蝠なのだ。マカオや北京そして日本でも中国の影響を受けたエリア長崎・鹿児島などあちこちで見てきた、蝙蝠が幸福を呼ぶと考える、中国の俗習がここでも見ることができる。
さて、料理はもちろん絶品。左下はローストダックのライスペーパー巻き、生春巻き風。盛り付けも素晴らしい。右下は、白身魚の煮物、蓮とレモングラス風味のあんかけ。これは絶品。やわらかく蒸された白身魚の口どけと、ソースの甘みと酸っぱみのハーモニー。これは、フランスとアジアが出会うこの国でしか生み出せない味だと感じた。
このお店、御値段の方は、ベトナムだと考えると高いが、日本ベースで考えると安い。従って、地元の人はほとんどおらず、半分が日本人、残り半分が欧米人と中国や韓国の方という感じだった。地元感を味わいたい方には物足りないが、落ち着いて高級感を味わいたい方向けの店だと思う。
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Fanny(ファニー)のアイスクリーム@ホーチミン
http://rakuzuka.exblog.jp/8781409/
2008-10-19T00:28:57+09:00
2008-10-19T00:29:42+09:00
2008-10-18T22:57:28+09:00
rakuzuka
食の楽園
観光に疲れたので、ホーチミンで一番人気のアイスクリーム店ファニーで休憩。
サイゴン・センターから一つ南の通りにヒンズー寺院があり、その向かい側にある洋風の古い建物の1階にファニーがある。2階は、高級ベトナム・レストランと喫茶スペースのあるテンプル・クラブになっている。
築100年を越す民家を改築してカフェにしたもので、間口が狭く、奥行きのある構造は、古い都市型の建物である証明だ。浅いイエローにペイントされた外装や内装が、味わい深い。味もさることながら、店の雰囲気と手の込んだ盛り付けが楽しい。
ベトナムならではのシクロ型に盛り付けられたもの(左下写真)は、300円程度で楽しめるのだから、ベトナム価格は楽しい!アヒルの籠に入ったものなどもあって、子供たちも大盛り上がりだった。暑さや湿気もも思ったほどではなく、屋外のテラス席でも気持ちよく過ごせるほど。気持ちの良い、サイゴンの夕刻。
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マスクの町@チョロンのチョー・ビンタイ(ビンタイ市場)
http://rakuzuka.exblog.jp/8731435/
2008-10-09T09:12:00+09:00
2008-10-09T09:38:20+09:00
2008-10-09T09:13:04+09:00
rakuzuka
旅の楽園
メコンデルタの旅を終え、ホーチミンに戻る。
ホーチミンの南東部にあるチョロン(ショロン)は、華僑が作り上げた中華街だ。天后廟があったり、関帝廟があったりと、まさに中国人の息遣いのする場所だ。その活気や雰囲気を味わいたくて、チョロンの中心にあるビンタイ市場に立ち寄ってみた。
ホーチミンの中心にある有名なベンタイン市場と違って、こちらは卸売りが中心である。なので、この商品の量。バイク天国ベトナムに相応しい、マスクの山だ。ファンシーな柄や色遣いがあるのが、面白い。花粉大国日本でもやがてここまでマスクが進化(?)する日が来るかもしれない??
華僑の大ボス=クアックダムが一大投資をして作り上げたこの市場、活気があることこの上ない。正面道路わきの歩道は、バイクや自転車の駐車、そして下の写真のような堂々たる屋台が並んでるために立錐の余地もないくらい込み合っていた。
ガイドさんはこの街に自宅があるそうで、さすが手慣れたもの。屋台前に駐車したら、屋台のおばちゃんにさっと札を渡して、文句が出る前に心付け。スリに注意とのアラームも。市場の道路をはさんだ正面で車を降り、道路を渡るのだが、これがまたドキドキハラハラ。バイクの大波をすり抜けて、家族全員で手をつないで渡る。目線は迫りくるバイクの運転手にピタリと合わせ、渡るよ渡るよという強い意思表示を目で示しながら、行かねばならない。この車道横断は、慣れるのに時間がかかった。
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車窓からの風景@ベトナム
http://rakuzuka.exblog.jp/8726566/
2008-10-08T08:53:04+09:00
2008-10-08T08:46:30+09:00
2008-10-08T08:46:30+09:00
rakuzuka
旅の楽園
車から見えるものが好きだ。見知らぬ土地に行くと、子供のように好奇心の塊となって、窓にかじりついて眺めてしまう。
必ず何かしらの発見がある。その土地でしか見られないものがある。そんな面白かったものの中から。上は、満員の乗合バス。小型だけどちゃんとした路線バスらしい。下は、バイクの曲乗り、ではありません、当然のように木材を運ぶバイク。他にも4人乗り、5人乗りが普通な感じ。バイク王国とはいえ、違法じゃないのが、不思議な運転だらけだった。]]>
チュア・ビンチャン(永長寺)@ミトー
http://rakuzuka.exblog.jp/8682040/
2008-10-04T23:36:00+09:00
2008-10-05T09:17:42+09:00
2008-09-28T23:44:51+09:00
rakuzuka
旅の楽園
中世ヨーロッパ修道院を思わせるアーチの柱廊。
しかし、天井がなく瓦がむき出しとなった屋根裏や扉は、まぎれもないアジア。
チュア・ビンチャン(永長寺)。ホーチミンから一番近いメコンデルタの町=ミトーの郊外にある、19世紀末に造られた仏教寺院である。カイベーからの戻りに、立ち寄った。
Manさん宅と同じように、ベトナム式の建物の外側をヨーロッパ風の様式で包んだ、不思議なお寺なのだ。その派手さ加減は、宮殿か何かようだ。
フランス植民時代とはいえ、仏教寺院をここまでヨーロッパ風にしてしまう、柔らかい感性に驚く。
外観のゴージャスさにはただただ呆れるしかないが、内部の構造自体は木造のベトナム式家屋と似ており、外との落差に驚くほどに質素。
ただ、ベトナムの仏像群の派手さは、中国でも敵わないほどだ。本尊の後光はネオンサインのごとく、赤黄緑と信号機のようにカラフルな光が明滅しているから、驚く。
周囲をかためる僧侶の像や菩薩の像の生々しいリアルな表現にも面食らう。右下写真の釈迦誕生の姿も、キューピー人形にも見えるほど。インドのヒンズー教の美意識に通じるものがあるようにも感じたが、それよりも何よりも仏教という宗教が生活の現場で生きているからではないかという気がした。
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メコンの流れ~メコンデルタ・クルーズの白眉
http://rakuzuka.exblog.jp/8682111/
2008-10-02T10:27:00+09:00
2008-10-05T09:42:16+09:00
2008-09-28T23:55:31+09:00
rakuzuka
旅の楽園
カイベー発のメコンデルタ・クルーズは、水上マーケットや古民家(1&2)、メコンらしい生活や風景を眺めた後、そのあたりのメコンで、もっとも川幅が広いところに出た。(上写真)空と雲とカフェオレ色の川、プカプカ浮かぶホテイアオイ以外、何もないこの景色こそ、このクルーズの白眉。
しかし、この海のようなスケールですら、九龍と言われるほど幾筋にも分かれ、広大なデルタ地帯を作り上げた、メコンの流れの一つに過ぎない。大きくは、ティエンザン(前河)とハウザン(後河)の2つのメインストリームがあるのだが、ここカイベーはティエンザンの左岸。それでも、チベットを源流として、インドシナ半島を縦断して6カ国を流れる、4000キロを超える超大河だけあって、そのスケールの大きさにただただ圧倒される。
メコンとホーチミンを舞台とした、デュラスの小説を映画化した「愛人(ラマン)」の冒頭も、メコンを渡し船で渡るシーンで始まる。雄大な自然に圧倒されるシーンだが、まさに映画そのままの景色が広がる。20世紀初頭のフランス植民地時代を描いた映画だが、渡し船の様子はそんなに大きく変化した印象がないところが、ベトナムの魅力だ。]]>
メコンデルタのお宅訪問2~マンさんち
http://rakuzuka.exblog.jp/8654611/
2008-09-24T20:30:00+09:00
2008-09-28T21:05:33+09:00
2008-09-23T09:09:15+09:00
rakuzuka
旅の楽園
メコンデルタの古民家訪問2軒目はManさん宅。
こちらは観光を商売とされている気配が全くなく、本当に普通のお住まいにお邪魔した感じがした。気分としては、ベトナムのおじいちゃんちに里帰りをしたような。
ガイドさんの話によると、Manさんちは最近はコースに組み込まれていないらしく、希望がある時だけ都合を聞いて案内しているらしい。それと言うのも、以前に数十人の団体客が来たときに、アンティークの貴重な品々をたくさん盗まれたそうで、以来積極的には受け入れていないとのこと。
Manさんは60歳を過ぎたおじいちゃんで、お医者さんをされており、そんなことがあったにも関わらず、ニコニコと快く我々を迎え入れてくれた。
Kietさんのお宅とは親戚らしく、建てられた時期も同じ頃のようだが、大きな違いは、煉瓦と漆喰とで造られた正面の構造だ。20世紀初頭のフランス植民地時代にヨーロッパ風に改築されたのだろうが、とても華やかで美しい。メコンとサイゴンを舞台とした映画「ラマン」で登場する中国人青年の自宅がこれと似た雰囲気であった。(規模はもう少し大きかったが)
中に入ってもひとつめのロビー的な部屋(二段下の左写真)は、左写真のようなヨーロッパ的な装飾が壁面を飾っている。オウムと植物をあしらった図柄は、西洋的だが、どこか板につかない感じがする。イタリア人が描いたという説明をされたが、本当なのだろうか?板張りペンキ塗りの天井があるのも、キエットさん宅と違う点。
ただ内側の間仕切りは、キエットさん宅と同じ中華風の透かし彫りや螺鈿細工で、ひとつの空間で西洋と東洋が向き合っている様が面白い。螺鈿細工はキエットさん宅のものよりも手が込んでおり、豪華だ。
外壁の見事な細工に見とれていると、銃弾の跡がたくさんあることに気付いた。ベトナム戦争の痕跡であろうか?歴史の風雪に耐え、ここに建ち続けていることに感動した。室内の家具や家財道具も古色を帯びて美しい。右下写真のクラシックなラジオをはじめ、なるほど盗みたくなるほどに素敵なアンティークな品々が家を自然と彩っていた。
Manさんは、本当に親切で、何くれとなくもてなしてくれた。お茶をいただいた後、庭を案内していただく道すがら、写真のようにフルーツをもいでくれたり、鶏を見せてくれたり。キエットさん宅と同じく、広大な庭には様々な果樹が数限りなく植えられている。
裏庭の奥のほうには一族の墓地もあり、入口にドラゴンフルーツがたわわに実っており、一番大きい実をいただいた。これは最終的にニャチャンでいただいたのだが、ドラゴンフルーツの印象が変わるほどに甘くておいしいものだった。Manさん本当にありがとう、元気で長生きしてください!
墓地には仏教式のものの中に、ひとつキリスト教のものも混ざっており、ベトナムの複雑な宗教地図がこんなところにも仄見えた。
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メコンデルタでお宅訪問1~チャン・キエットさんち
http://rakuzuka.exblog.jp/8635705/
2008-09-24T11:09:00+09:00
2008-10-05T09:31:46+09:00
2008-09-19T08:46:50+09:00
rakuzuka
旅の楽園
カイベーのメコンデルタクルーズでおもしろいのが、地元の古民家訪問。ミトーだと、ココナツキャンディー工場や蜂蜜工場の見学なのだが、こちらはより生活に近い場所を見せてもらえるのだ。個人的には、デルタクルーズで一番楽しみだったのは、これ。
1軒目はチャン・キエットさんというお婆ちゃんのお宅。
19世紀半ばに建てられた農園主の屋敷が、JICAや日本の大学の協力で補修されてほぼそのままの形で残されている。運河沿いの土手に洋風の門があり、リュウガンやマンゴーなど果樹の植えられた庭を抜けて、テラコッタ風タイルのアプローチが母屋へと続く。
赤い屋根瓦が美しい、大きな平屋の屋敷が姿を現す。(左写真)
事前に見たガイドブック(「ベトナム町並み観光ガイド」岩波アクティブ新書)では正面が洋風煉瓦造になっていたが、どういう事情か木製の縦格子に変わっていた。正面を洋風の煉瓦造にするのは、1920年代フランス植民地時代に流行したスタイルなのだが、オリジナルの形に戻したのだろうか?
広くてゆったりした空間に驚く。外は暑いが、中は風通しが良くて過ごしやすい。入って、すぐ右側に家主のおばあちゃんがニコニコしながら座っているのでご挨拶。
左写真はそのおばあちゃんが使う、ハンモック。家の一番良い場所でハンモックに揺られて過ごせるなんて!
屋根は瓦がむきだしで、天井がなく、家の構造も素朴このうえないが、中国風の木製の透かし彫りや螺鈿細工の内扉や間仕切り(右下写真)、木製のアンティークの家具や飾り(左下写真)などなど、とにかく内装が見事。この家の財力や豊かさを暗示している。
日本に戻ってからブログ仲間の推薦で読んだ司馬遼太郎さんの「人間の集団について~ベトナムから考える」でも、メコンデルタのサデクの民家を訪ねるシーンが出てくる。
「 家屋は、お堂のようになっている。
大ざっぱな分類でいえば、床をつくる南方式(日本もそうだが)ではなく、敷きがわらを敷いた 土間形式の、つまり中国式にやや近い構造である。入るとすぐ土間で、土間ぜんたいが祭壇に
なっているのがめずらしい。(中略)民家というより、村の庵寺のような感じなのである。」
比較するのもおこがましいが、的確な表現に恐れ入る一方で、その印象の変わらなさ加減にも驚く。司馬さんが訪れたのは1973年で、アメリカは撤退したものの、いまだベトナム戦争のさ中であり戦闘地域の話である。撮影禁止の標識がそこら中にあり、2年後に南北統一されることなど全く予想できない状態だったようだ。たった35年前、歴史は変転するが、人間の皮膚感は大きく違わないのだろうか。さらにこんな印象も。
「 若いころ、万福寺を訪れた時、專を敷きつめた廊下で、紫壇だったか黒壇だったか、南方材で
つくられた簡素なイスをあたえられて、しばらく待たされた。右手の庭に、真夏の光りがあふれ
ていた。
そのときの光景と、いまこのイスにすわっている感じがそっくりなのは、なかだちとして中国の
文化が存在してくれているからである。」
裏庭には広大な果樹園が広がる。スターフルーツ、マンゴーやバナナなど南国のフルーツがあるのは当たり前として、一番の実りの時期を迎えていたのがザボン(左下写真)。もっぱら九州名物と思い込んできたが、意外とルーツはベトナム?その実の大きさっぷりにもビックリ!
ぐるっと果樹園を一周して母屋の前に戻ってくると、左下写真のようにとれたてのフルーツの盛り合わせがセットされていた。どれもこれも実に甘くておいしい。ガイドさんは、滋養に満ちたメコンの水のおかげで、甘いのだ、中部や北部ベトナムのフルーツとは別物だと、郷土愛に満ちた発言していたのが印象的だった。この豊かな環境を目の当たりにすると、妙に納得できるものがあった。
そんなことを言いつつ、フルーツの皮や残りで彼女が作ってくれたのが、天秤棒と籠のおもちゃ。小さい頃は貧しかったから、子供はみんなこういう玩具を自分で作って、買い物ごっごをして遊んでいたとのこと。うちの娘も見よう見まねで、目を輝かせながら作っていた。(右上写真)
素敵。物質的な豊かさと精神的な豊かさって必ずしも一致しないなあ、と実感。
こうしたフルーツの用意も含めて、チャン・キエットさんちは、かなり観光客慣れしている感じだった。釜屋という台所の隣には、右下写真のような宿泊施設もあり、その部屋の前にはトレーニングマシーンも置かれて、欧米人のバックパッカーがやって来そうな雰囲気。時間があれば、ホームステイしてメコンデルタをよりディープに楽しむことができるコースもあるそうだ。
司馬さんが訪れた時代には想像できなかった、自由と平和に感謝したい。
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メコンデルタ・クルーズは、ジャングル・クルーズ感あり!
http://rakuzuka.exblog.jp/8597562/
2008-09-18T08:40:00+09:00
2008-09-24T08:52:33+09:00
2008-09-11T09:37:32+09:00
rakuzuka
旅の楽園
カイベーの大聖堂の前を左方向に折れ、大きな橋の下をくぐって数百メートル行くと、家屋が少なくなり、左へと折れる運河が現れて、ツアーボートはメコンデルタの農村地帯へと吸い込まれるように静かに入っていく。幅にして10メートルほどの運河で、ツアー用の小舟がすれ違えるくらいの規模になっている。
両岸ではメコンデルタの日常が展開されている。
ヤシやバナナの大きな葉の向こうに、点々と平屋の屋根が見え隠れする。カフェオレ色の運河の水で洗濯や洗い物をしている。われわれに気付くと、洗い物の手を止めて、人懐っこい微笑みを向けてくれる。
舟の往来を妨げないよう、真ん中を高く作った橋が、3つ4つと姿を現すのだが、どれも実に個性的で楽しい。特に驚いたのは、下写真の棒一本を繋げて作られた、素朴を通り越して、原始的な橋。
「こわいね~」「本当に渡れるのかな~」などと話していると、タイムリーに親子が器用に渡り始めるではないか。前コーナーの子供たちの飛び込みといい、すべてが観光客向けパフォーマンス?と思うような絶妙のタイミングなので、ジャングルクルーズを思い出してしまった。]]>
アジア的癒しのシーン@メコン・デルタ
http://rakuzuka.exblog.jp/8616286/
2008-09-15T10:37:00+09:00
2008-09-18T08:40:52+09:00
2008-09-15T10:37:59+09:00
rakuzuka
旅の楽園
欧風の趣のあとには、なぜか懐かしい気持ちになる、アジア的なシーンを。
ボートの多くはモーターになっていたが、手漕ぎのものもまだまだいる。しかし、メコン独特の二刀流の櫂で漕いでいたのは、この一艘だけだった。初めてみるのに、懐かしい眺め。
子どもたちは、僕らのツアーボートが近付くと、繋留された船の舳先に上って、回転飛び込みを見せてくれた。子供のころの川遊びを思い出す。日本でも田舎へ行けば今も見られる景色なのだろうが、都会ではこういう経験はできないのだろうなあ。メコンに抱かれて暮らすことの楽園感をしみじみと感じた瞬間だった。]]>
水辺の玄関@カイベー(メコン・デルタ)
http://rakuzuka.exblog.jp/8588119/
2008-09-15T10:08:00+09:00
2008-09-15T10:11:03+09:00
2008-09-09T10:30:14+09:00
rakuzuka
旅の楽園
川と運河がメインストリートの町=カイベー。メコンデルタの日常は、メコンの流れと一体化して、人々はメコンと不可分で生きている。
だから、多くの家の玄関が水辺に向かっている。水辺に迫り出すように建つ家々は、お世辞にも金銭的に豊かな感じはなく、けして立派な造作とは言えないが、ちょっとしたところにオシャレ心や家人のこだわりが見える。
ドアのレリーフや透かし彫り、そしてその明るい色彩。柵のちょっとした造形、ルーバーの窓、窓にはまったアイアン細工などなど、日本の画一的な洋風建築には決してない、手作りの洋風建材が家の表情を豊かにしている。洋風の建物への憧れやオシャレ心をほのぼのと感じさせる。精神面での充実や豊かさが確実にあるような気がした。
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カイベー(メコン・デルタ)の水上マーケット
http://rakuzuka.exblog.jp/8587986/
2008-09-10T09:20:00+09:00
2008-09-15T10:11:53+09:00
2008-09-09T09:45:38+09:00
rakuzuka
旅の楽園
船着場からメコンを数百メートル下ると、左から支流(運河かも?)が合流してくるのだが、大小無数の舟が行き交う、この場所こそカイベーの水上マーケットだ。
カイベーのメイン・ストリートと呼べるのは、まさにこの水路だろう。両岸には水路に玄関を向けた、半水上家屋がびっしりと軒を並べ、多くの小舟が繋留されている。実にアジア的な風景。
しかし、その水路の一番奥には美しい立派なカソリック教会の尖塔が見える。ビスタと呼ぶ、メイン・ストリートの最奥に教会や劇場などランドマークとなる建物を建設する、ヨーロッパの手法にちがいない。フランスの植民地支配の名残だろうか?西洋のビスタとアジア的な水郷が自然と融合した、この景色がカイベーの美しさだ。
船首に立てた棒に吊るされた芋やカボチャは、その舟で売っている品物を示す、看板がわり。野菜だけではない。スイカやドラゴンフルーツなど南国の果物を満載した船もある。スイカを満載した船の屋根が、スイカ模様だったりするのも愛嬌がある(下写真)。
そうしたやや大きめの船に、手こぎやモーターのあるものも含め様々な小舟が漕ぎ寄せて、欲しいものを仕入れている。そんな売り買いの間を縫って、ビンジュースやミルクをのせたジューススタンド舟が往来したり、左下写真のように岸で呼び寄せられるのを待っていたりする。
観光向けではない、アジア的な水上生活のリアルな姿が垣間見れた。十二分にアジア的なマーケットのパワフルさとメコンの豊かさを実感。我々が訪れたのは朝の8時ぐらいだったが、もう少し早い時間であればもっと賑わっていたのかもしれない。ベトナムの古い市場は4時~5時がピークらしいから。]]>
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